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料理長インタビュー

料理は、「食べておいしいもの」が一番です。旬の食材をおいしく召し上がっていただきたいですね。 (丹泉ホテル料理長 江口克利親方インタビュー)

目次
  1. 親方の紹介
  2. 県外のお客様にも開かれた赤湯温泉
  3. 旅館料理を、様々な親方から学んだ修業時代
  4. お料理の献立は一月から一月半で変わる
  5. なるべく多くのお客様に喜んでいただけるお料理を目指して
  6. 食材は長年お世話になっている業者さんから卸していただいている
  7. 旬のものを、おいしくお客様に召し上がっていただきたい

親方紹介

江口克利氏。昭和43年3月21日生まれ。南陽市出身。
両親が共働きだったこともあり、幼少期はおばあちゃん子だったそうだ。おばあさんの手伝いをしているうちに、料理を覚えていったという。
中学校時代はバレーボール部に所属し、料理とは無縁の生活を送っていた。
しかし、高校進学に際して、料理人としての道を選択。調理科のある山形市内の高校へ進学した。そこで専門的な知識を積み、免許を取得した。

卒業後は山形市内の料亭に弟子入り。その後は地元南陽の赤湯温泉や天童の旅館を5,6件回り修業を重ねる。
36歳の時に、お世話になった親方からの紹介で丹泉ホテルへ。
親方として就任し現在に至るまで、腕によりをかけた料理をお客様にお出ししている。

10年近く、丹泉ホテルの親方を務めている
10年近く、丹泉ホテルの親方を務めている

県外のお客様にも開かれた赤湯温泉

―江口親方は、南陽市出身だそうですね。今もこの南陽の赤湯温泉で働かれている親方から見て、赤湯温泉はどんな温泉ですか。

(親方)以前と変わったことが二つあります。一つは、新幹線が開通してから、東京からのアクセスが良くなったことですね。
山形新幹線は赤湯駅に停まりますので、関東からのお客さんが増えました。
昔の赤湯温泉は地元の人が多く来ていただいたのですが、このおかげで県外の方への知名度があがったと思います。

二つ目は、旅行の業態が変わったことじゃないでしょうか。
旅行会社に委託するのではなく、インターネットを用いて個人で宿を探す時代になりました。
昔は、山形だったら○○温泉の△△という宿に泊まろう、という常宿がありました。
しかし今は、「前回は○○温泉に行ったから次は△△温泉にいってみよう」といった具合に、同じ山形に行くにしろ、様々な地方に足を運んでもらえます。赤湯温泉にも、目を向けてもらえるようになったと思います。
そういう意味では、知名度が低かったところが、地元以外の人にも開かれた地になったなあと。
どんどん地元の食材を使った料理をアピールしていきたいですね。

旅館料理を、様々な親方から学んだ修業時代

―料理の修業は、この赤湯温泉の旅館を中心になされたのですね。

(親方)色々な親方について学ぶと、それだけレパートリーが広がることになります。
同じものを作るにしろ、親方によっては使う道具、かける時間、調理法など異なりますから。
同じ親方だけから学んでいると、その親方のやり方しか身に付きません。若いうちはたくさんの親方から様々なことを学びました。

―特に、旅館での修業が多いですね。料理屋と旅館の仕事に違いはありますか。

(親方)料理屋は夜の料理が主ですが、旅館では夜の料理と、朝食をご用意しなくてはなりません。時間と人の使い方が難しいですね。

―丹泉ホテルの厨房には、何人の料理人さんがいらっしゃるのでしょうか。

(親方)自分と、他に2人です。あとはお手伝いのパートさんもいます。朝は5:30から調理を開始して、夜は20:00に業務が終わります。
この間に、当日の料理の支度はもちろん、片付け、翌日の料理の段取りや仕込みも行います。

―毎日何名様のお食事を用意されていますか。

(親方)平日は80人前後、週末は120~130人くらいですかね。忘年会や新年会のシーズンはもっと多くなります。
地元の方が、宴会場としてご利用していただくことが多いです。
夜帰りというのですが、1次会の会場として使って頂いて、飲み屋がおおいので、そのまま二次会に行かれる方が多いです。
宴会のお客様にお出しする料理も、宿泊のお客様にお出しする料理と変わりはありません。

丹泉ホテルの調理場 親方と、料理人2人とパートの方で調理をしている
丹泉ホテルの調理場 親方と、料理人2人とパートの方で調理をしている

お料理の献立は一月から一月半で変わる

―お料理の献立は一月から一月半で変わると伺いました。その都度、江口親方がお考えなのでしょうか。

(親方)はい。そうです。夕食は一月~一月半の間隔で変わります。朝食は年3,4回で、季節ごとに変わります。

―それほど頻繁に変わると、大変ではないですか。

(親方)つねに献立のことを考えている感じですね(笑)家に帰って、ちょっとテレビを観ながら晩酌しているときにも、献立のことを考えていたり。いつも頭の片隅に献立のことがあります。でも、献立を考えるのはそれほど嫌いじゃないですよ。
お客様から「お料理、おいしかったです」のお声をいただくと、嬉しいですし。そういった声が活力になります。

なるべく多くのお客様に喜んでいただけるお料理を目指して

―とはいえ、難しい点もありますか。

(親方)たとえば料理屋は、お客様に一品一品お出ししますよね。そうすると、お客様はだいたいのものに箸をつけていただくし、味わって召し上がっていただく。ですが、旅館で出すお料理は少々異なります。お膳料理ですから、最初からある程度揃っている状態でお客様にお出しします。すると、食べる人は、色々見比べて、まず自分が食べたいものから好きな順番で食べます。ぱっと見て、「うーん」と思ったものに関しては、まったく手を付けない場合もあります。見た目だけでお料理を判断されているのです。まぁ、どれから食べようと悩むのも、お膳料理の楽しさではあると思いますが。ですので、「どうやったら箸を動かしてもらえるか」ということを考えるのが難しいと思います。自分で作って、「これはいい!」と思えた自信作が、まったくの手つかずで返ってきたこともあります。自分がいくら良いと思っても、その良さが100人中すべてのお客様に伝わるとは限りませんし、伝えるお料理を作ることは非常に難しいことだと思います。

―より多くのお客様にわかっていただくために、どのような工夫をしようと思いますか?

(親方)下がってきたお膳を見て、残っているものをチェックはしていますね。 新しいことへのチャレンジもどんどんしようと思います。地産地消の一環として、今は冬ですから、赤湯温泉が位置する山形県置賜地方でだけと採れる「雪菜」(ゆきな)という野菜を取り入れています。字の通り、雪の中で育つ野菜です。冷汁や漬物にしてお出ししているのですが、味に少しクセがあり、また部位によって食感が違うので、それをどう活かすかを考えています。部位ごとに最も適した献立は何か、現在進行形で模索中です。

夕食の献立は一月半~二か月に一回の頻度で変わる チャレンジ精神を忘れないようにしたいと語っていただきました
夕食の献立は一月半~二か月に一回の頻度で変わる チャレンジ精神を忘れないようにしたいと語っていただきました

食材は長年お世話になっている業者さんから卸していただいている

―食材の話が出てきましたが、どのように食材は仕入れているのですか。

(親方)野菜は卸の八百屋さんを通して仕入れています。なるべく旬の食材で、地元栽培のものを卸してくれるようお願いしています。 お肉は、枝肉市場が卸してくれるものを買ったり、卸業者さんが卸してくれるのを買ったりと、その時々です。献立によって仕入れる肉が変わりますので。業者さんへのお願いはすべて私がしています。長年お世話になっている、信頼できる卸業者さんですよ。

旬のものを、おいしくお客様に召し上がっていただきたい

―江口親方の、料理に対する想いを教えてください。

(親方)やっぱり料理は「食べておいしいもの」が一番ですね。見た目の美しさや、盛り付けも大事ではありますが何よりも味です。そのためには、旬のものをその時季にお出ししたいと思っています。冬なら、寒ブリや寒ダラを使ったり、鍋物に豆もやしを使ったりなどです。旬の食材を考慮した献立作りに励みたいと思います。

また、いらっしゃるお客様によって、どんなものをお出ししたらよいのかも、課題のひとつです。うちのホテルは、県内と県外どちらからもお客様がいらっしゃいます。山形と言えば秋は芋煮なんですが、県外のお客様にお出しするともちろん「これが有名な芋煮か!」と喜んでいただけます。ですが、県内の方は、秋は家でも外でもたくさん芋煮を食べますので(笑)芋煮をお出ししても「また芋煮か…」という反応をされる方もいらっしゃるのです。県外・県内問わず、いらっしゃったお客様に満足していただける料理を作るのが、課題の一つです。

旬の食材をその時季に召し上がっていただきたい 冬の地元野菜「雪うるい」を、山形牛のローストビーフに添えて
旬の食材をその時季に召し上がっていただきたい 冬の地元野菜「雪うるい」を、山形牛のローストビーフに添えて

―それでは最後に、お客様へのメッセージをお願いします。

(親方)あたたかみのある従業員がお迎えする宿です。決して気取ってはいない、気軽に足を運んでいただけるホテルだと思います。お客様のご要望はどんなことでもお応えしたいので、遠慮なくご要望をお伝えください。誠心誠意こめて対応いたします。むろん、お料理に関しても同じです。ゆっくりとリラックスしてお過ごしください。

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